まず3分で
「会社から出たごみは、全部産業廃棄物ですか?」
答えは、いいえです。
産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた種類のものを指します。
一方、一般廃棄物は産業廃棄物以外の廃棄物です。つまり、会社や店舗、事務所から出るものでも、種類や発生した事業・工程によっては一般廃棄物になるものがあります。
判断するときに大切なのは、
- 何が出たのか
- どこから出たのか
- どんな事業活動・工程で出たのか
- 業種による限定がある種類か
を順番に確認することです。
名前だけを見て「これは産廃」「これは一般ごみ」と決めると、間違いやすくなります。
CLASSIFICATION
廃棄物は、まず二つに分けて考える。
「会社から出たか」だけではなく、何が・どの活動から出たかを確認します。
産業廃棄物とは
廃棄物処理法では、産業廃棄物を、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定めるものとして整理しています。
ここでいう「事業活動」は、営利企業だけに限りません。事業として行われる活動から出る廃棄物について、何に該当するのかを確認します。
FACT
環境省の現在の分類資料では、廃棄物は大きく
- 一般廃棄物
- 産業廃棄物
に区分され、産業廃棄物は20種類に整理されています。
ひと繋ぎPOINT
「会社から出たか」だけではなく、何が、どの活動から出たかを見ることが最初の確認です。
一般廃棄物との違い
一般廃棄物は、法律上、産業廃棄物以外の廃棄物です。
そのため、家庭から出るごみだけが一般廃棄物というわけではありません。
事業所から出たものでも、産業廃棄物の区分に当たらないものは、いわゆる事業系一般廃棄物として扱われることがあります。
ここで注意したいのは、一般廃棄物については、具体的な分別・収集・搬入方法などに自治体の運用が関係することです。
全国共通の法律上の分類と、地域ごとの収集・搬入ルールは、分けて確認する必要があります。
「事業所から出た=全部産廃」ではない
例えば、事務所で社員が食べた弁当を考えてみます。
「弁当がら」という一つの言葉だけでは、分類はできません。
- 食べ残し
- プラスチック製の容器
- 紙製の包装
- 割り箸
では、材質も発生状況も違います。
さらに、紙くずや木くずなどには、産業廃棄物となる業種等が限定されている区分があります。
一つの袋に入っているからといって、一つの種類として考えるのではなく、まず中身と発生状況を確認することが大切です。
産業廃棄物20種類
20 TYPES
名称と業種等の限定を確認する
「業種等限定」は、名称だけでは判断できない区分です。
- 01燃え殻
- 02汚泥
- 03廃油
- 04廃酸
- 05廃アルカリ
- 06廃プラスチック類
- 07紙くず業種等限定
- 08木くず業種等限定
- 09繊維くず業種等限定
- 10動植物性残さ業種等限定
- 11動物系固形不要物業種等限定
- 12ゴムくず
- 13金属くず
- 14ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
- 15鉱さい
- 16がれき類
- 17動物のふん尿業種等限定
- 18動物の死体業種等限定
- 19ばいじん
- 201〜19を処分するために処理したもので、それらに該当しないもの
「業種等限定」は、環境省資料で業種等が限定されているものとして示されている区分です。
一覧を見るポイント
一覧を覚える必要はありません。
まずは、「業種に関係なく確認するもの」と「業種等の限定があるもの」の違いを知っておくと、実務で確認しやすくなります。
業種によって扱いが変わるものがある
特に間違いやすいのが、
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 動植物性残さ
- 動物系固形不要物
- 動物のふん尿
- 動物の死体
です。
これらは、単に「紙だから産廃」「木だから産廃」と決められるわけではありません。
どの業種・工程から発生したのかなど、政令上の条件を確認する必要があります。
ひと繋ぎPOINT
分類に迷ったら、廃棄物の名前より先に、発生工程と業種を確認する。
特別管理産業廃棄物とは
産業廃棄物の中には、通常の産業廃棄物よりも厳しい管理が必要なものがあります。
廃棄物処理法では、爆発性、毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害を生ずるおそれがある性状を持つものを、特別管理廃棄物として規定しています。
特別管理産業廃棄物には、一定の廃油、強い腐食性を持つ廃酸・廃アルカリ、感染性産業廃棄物、PCB関係などが含まれます。
ここは「産業廃棄物20種類の一覧」と混ぜず、該当する性状・濃度・発生源を個別に確認する領域です。
古いトランスやPCBのように、機器の年代・絶縁油・分析確認が関係するものもあるため、「見た目だけ」で決めないことが重要です。
判断に迷ったときの確認順
CHECK FLOW
迷ったときは、名前より順番。
- 01何が出ている?材質・性状・混合状態
- 02どこから出た?発生場所・工程
- 03どの事業・業種?業種等限定を確認
- 04特別管理に当たる?有害性・感染性等を確認
- 05地域ルールは必要?一般廃棄物側は自治体運用も確認
- 06契約・許可範囲は合っている?実際の排出物と照合
1|何が出ているか
材質、性状、混合状態を確認します。
2|どこから出たか
製造工程、事務所、店舗、設備更新、工事など、発生場所と工程を確認します。
3|どの事業活動・業種か
業種等の限定がある種類に当たらないかを確認します。
4|特別管理に当たらないか
危険性・有害性・感染性など、通常より厳しい管理が必要なものではないか確認します。
5|一般廃棄物側なら地域ルールを確認
自治体の分別、搬入、許可業者、収集方法などを確認します。
6|現在の契約・許可範囲も確認
処理業者・収集運搬業者の許可品目や契約内容と、実際に出ているものが合っているか確認します。
自社で考える
小さく始める|ひとつの排出物から確認する
たとえば、毎日捨てている弁当容器を一つ選びます。容器の材質と食べ残しを分けて確認し、現在の分別表・契約・回収先の受入条件を並べてみます。「分けたら誰が、どこへ運ぶのか」まで決まって初めて、現場で使える分別になります。
この確認で今の処理が適正と分かれば、そのルールを残します。改善の目的は分別箱を増やすことではなく、迷いと誤りを減らすことです。
よくある質問
Q. 会社から出るごみは全部産業廃棄物ですか?
いいえ。事業所から出る廃棄物でも、法令上の産業廃棄物に該当しないものがあります。
Q. 廃プラスチック類は産業廃棄物ですか?
事業活動に伴って生じた廃プラスチック類は、産業廃棄物の区分に含まれます。ただし、実際の材質や発生状況、混合物の状態を確認して判断します。
Q. 紙くずや木くずは必ず産業廃棄物ですか?
いいえ。紙くず・木くずには業種等の限定があります。どの業種・工程から出たものかを確認します。
Q. オフィスの弁当がらはどう考えますか?
「弁当がら」という名前だけで一括判断しません。食べ残し、プラスチック容器、紙包装など、材質と発生状況を分けて確認します。一般廃棄物側の収集・搬入方法は自治体ルールの確認も必要です。
Q. 自分で判断できない場合は?
発生工程、材質、業種、量、現在の処理方法を整理し、法令・自治体運用・処理業者の許可範囲を確認します。
自社の場合に確認したいこと
分類を確認する目的は、単に「産廃か一般ごみか」という名前を付けることではありません。
- 分別は今のままで良いか
- 保管方法に無理がないか
- 回収頻度は合っているか
- 契約・許可範囲と実物が合っているか
- 資源として活かせるものが混ざっていないか
- 社内の管理負担が大きくなっていないか
まで見ると、処理だけではない改善点が見えることがあります。
今の方法が適正で、運用にも無理がなければ、変える必要はありません。
ひと繋ぎPOINT
捨て方を決める前に、何が、どこから、どう出ているかを見る。
それが、適正処理と資源循環の両方を考える入口です。
SOURCE|根拠を確認する
編集更新:2026年10月9日。制度・統計は掲載した資料の対象と時点をご確認ください。