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HITO TSUNAGI / 003

事務所ごみは産業廃棄物?一般廃棄物?会社のごみを分ける考え方

会社から出たごみは全部産業廃棄物ではありません。素材・発生工程・業種条件・自治体ルールの順に、事務所ごみの考え方を整理します。

まず3分で

「会社から出たごみだから、全部産業廃棄物ですよね?」

実務では、この理解だけで分けると間違えることがあります。

会社や事務所から出たごみでも、すべてが産業廃棄物になるわけではありません。

確認したいのは、

  • 何が出たのか
  • どこから出たのか
  • どの事業活動で出たのか
  • 業種の条件がある種類か
  • 地域の一般廃棄物ルールにどうつながるか

です。

「燃えるごみ」「燃えないごみ」という分け方は、日常の分別には便利です。

ただし、法律上の「産業廃棄物」「一般廃棄物」の区分とは、同じではありません。

この記事では、事務所・営業所・倉庫などで日常的に出るごみを、どんな順番で整理すると分かりやすいのかを見ていきます。


1|会社から出た=全部産業廃棄物、ではない

廃棄物処理法では、廃棄物は大きく「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分かれます。

産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法令で定められた種類です。

そのため、会社から出たものでも、産業廃棄物の種類や条件に当てはまらなければ、事業系一般廃棄物として扱われるものがあります。

FACT

産業廃棄物には、業種を問わず対象になりやすい種類と、業種・発生工程等の条件がある種類があります。

たとえば、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くずなどは、事業活動に伴って生じた場合に産業廃棄物として考える種類です。

一方、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さなどには、業種等の条件があります。

ひと繋ぎPOINT

「会社のごみ」という一括りで見るより、まず素材と発生工程に分ける方が、判断しやすくなります。


DIAGRAM / CHECK ORDER

事務所ごみは、4段階で見る。

01素材紙・プラ・金属・ガラス等
02発生工程どこで、何の活動から出たか
03業種条件限定のある種類か
04地域ルール一般廃棄物側は自治体確認

2|最初に見るのは「燃える/燃えない」ではない

事務所の分別表には、

  • 可燃
  • 不燃
  • 缶
  • びん
  • ペットボトル
  • 資源物

といった表示がよくあります。

これは日常運用としては分かりやすい方法です。

ただ、法的区分を確認するときは、別の順番で考える必要があります。

確認の順番

  1. 何という物か
  2. 主な素材は何か
  3. どこで、どの工程から出たか
  4. 業種等の限定がある種類か
  5. 現在どのルートで処理しているか
  6. 一般廃棄物側は自治体ルールを確認する必要があるか

この順にすると、「見た目が似ているから同じごみ」という判断を減らせます。


EXAMPLES

名前ではなく、素材と発生状況で確認する。

コピー用紙紙くずは業種等の条件を確認
プラ容器廃プラスチック類を確認
空き缶金属くずを確認
びんガラスくず等を確認
食べ残し動植物性残さの業種条件を確認
木製品・パレット木くずの条件・用途を確認

3|事務所でよく出るものは、どう考える?

ここでは、よくある例を「考え方」として整理します。

コピー用紙・書類

紙くずは、産業廃棄物になる業種等が限定されています。

一般的なオフィスから日常的に出るコピー用紙などは、事業系一般廃棄物として扱われる場面があります。

ただし、機密文書の処理、リサイクルルート、自治体の受入条件などは別に確認が必要です。

プラスチック製の弁当容器・包装材

事業活動に伴って出る廃プラスチック類は、産業廃棄物として考える必要があります。

中身が食品だったかどうかだけでなく、容器そのものの素材を見ます。

空き缶

金属くずとして、産業廃棄物の区分を確認します。

びん・ガラス製品

ガラスくず等として、産業廃棄物の区分を確認します。

弁当の食べ残し・生ごみ

動植物性残さは、対象となる業種が限定されています。

そのため、一般的なオフィスの食べ残しを「食品だから全部産業廃棄物」とは考えません。

事業系一般廃棄物としての扱いと、自治体のルールを確認します。

木製品・木片

木くずも業種や発生状況で扱いが変わります。

また、貨物の流通のために使用したパレットなど、別の条件で産業廃棄物となるものもあります。

ひと繋ぎPOINT

物の名前だけでなく、素材・用途・発生場所をセットで記録すると、判断の精度が上がります。


4|業種によって扱いが変わるものがある

産業廃棄物20種類のうち、すべてが「どの業種でも同じ扱い」ではありません。

環境省の資料でも、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さなどについて、指定業種や発生状況が示されています。

この違いがあるため、

「前の会社では産廃だった」

という経験だけで判断するのは危険です。

同じ紙でも、どの事業活動から出たかで確認が変わることがあります。


CURRENT STATE

分別箱を増やす前に、6つを見る。

量分別保管回収頻度契約・処理先管理負担

5|分別箱を増やす前に、「出口」を見ておく

ごみの改善というと、まず分別箱を増やしたくなります。

でも、分別数を増やすことが必ずしも改善とは限りません。

先に確認したいのは、

  • 月にどれくらい出ているか
  • 今の分別で困っているか
  • 保管場所は足りているか
  • 回収頻度は合っているか
  • 契約と実際の排出物が合っているか
  • リサイクル・資源化できるものが混ざっていないか
  • 管理担当者の手間が大きすぎないか

です。

分別は「細かいほど良い」のではなく、出口と運用がつながって初めて意味があります。


6|一般廃棄物側は、自治体ルールも確認する

事業系一般廃棄物は、地域の収集・搬入方法と関係します。

そのため、全国一律の説明だけで「この出し方で大丈夫」とは言えません。

具体的には、

  • 事業者が利用できる収集方法
  • 許可業者への委託
  • 自己搬入
  • 分別方法
  • 受入できない物

などを、所在する自治体の一次情報で確認します。

FACT

法令上の分類と、自治体の収集・搬入ルールは別の層の話です。

ひと繋ぎPOINT

「分類を確認する」→「地域の出し方を確認する」の順に分けて考えると混乱しにくくなります。


7|判断に迷ったときの確認順

迷ったら、次の順で整理してみてください。

STEP 1

何が出ているかを一覧にする。

STEP 2

素材・発生工程・排出場所を書く。

STEP 3

産業廃棄物20種類に該当するか確認する。

STEP 4

業種等の条件がある種類か確認する。

STEP 5

一般廃棄物側は自治体ルールを確認する。

STEP 6

処理先・契約・回収・保管が実態と合っているか確認する。

この6つを並べるだけでも、事務所ごみの「なんとなく分別」から一歩進めます。


ANOTHER SITUATION

日常の事務所ごみと、移転・退去時の「残置物」は分けて考える

日常的な事務所ごみとは別に、移転・退去・倉庫整理などでは、一度に多くの不要物が出ることがあります。

机、椅子、棚、OA機器、書類、プラスチック製品、金属製品などが混在すると、見た目には「全部まとめて不要品」に見えます。

しかし、実際には素材、所有者、発生経緯、まだ使えるか、情報が残っていないか、廃棄物としての区分は何かを分けて確認する必要があります。

「大量に残っているから、まとめて同じごみ」ではありません。

日常排出と一時的な片付けを分け、品目ごとに再使用・資源化・適正処理の出口を確認します。住居由来の物や前使用者の物が混ざる場合は、誰がどの経緯で排出するのかも含めて自治体・関係者へ確認します。

自社で考える

自社で試す|分別表と実物を並べてみる

分別表では「可燃」でも、実際の袋には紙、プラスチック容器、食べ残しが混ざっているかもしれません。代表的な品目を写真や名称で整理し、担当者と回収先で認識が合っているか確認します。中身が不明な物や危険物を、確認のために素手で触ったり開けたりする必要はありません。

分類が決まったら、現場には法律用語だけでなく「何を、どの箱へ」の具体例を示します。迷う品目の相談先も決めておくと、新しい社員にも引き継ぎやすくなります。

8|よくある質問

Q. オフィスの弁当がらは全部産業廃棄物ですか?

一括では判断できません。食べ残しとプラスチック容器では確認する区分が異なります。中身・素材・発生状況を分けて考えます。

Q. コピー用紙は産業廃棄物ですか?

紙くずは業種等の条件があります。一般的なオフィスの日常的な紙ごみは、事業系一般廃棄物として扱われる場面があります。具体的な出し方は自治体ルールも確認します。

Q. プラスチックの容器は?

事業活動に伴って生じた廃プラスチック類として確認します。

Q. 家庭ごみの集積所に出してよいですか?

事業系一般廃棄物の収集・排出方法は自治体ルールを確認する必要があります。家庭ごみと同じ出し方ができるとは限りません。

Q. 分別が合っているか分かりません。

排出物の一覧、量、保管、現在の処理先、契約を並べると整理しやすくなります。必要に応じて自治体や許可業者などの一次情報・実務条件を確認します。


9|自社の場合を考える

事務所ごみの見直しは、処理費だけの話ではありません。

分別、保管、回収頻度、契約、資源化、担当者の管理負担までつながっています。

現在の処理先で続けられる方法も含めて、分別や回収条件を比較します。

今の方法で合っているものは残し、確認が必要なところだけを整理する。

それも一つの改善です。


SOURCE|根拠を確認する

編集更新:2026年10月9日。制度・統計は掲載した資料の対象と時点をご確認ください。

SOURCE / EDITORIAL POLICY

出典と更新について

主な確認先:環境省・廃棄物処理法・産業廃棄物の業種指定等。制度や統計、自治体の取り扱いは変わることがあります。ご判断の際は、掲載した出典と関係機関の最新情報をご確認ください。事実とSeeseeの解釈・問いを分け、分からないことは分からないと扱います。